吉原風俗

とりわけ吉原は格式が今でも重んじられる(ソープ特有の習慣、用語についても、本書で取り上げるつもりだったが、その余裕がないため、これについてはまた別の機会にやりたい)。松「昔ほどじゃないが、ソープは今でも上下関係がはっきりしていて、キャリア10年なんていうおねえさんが控室を仕切っていたりする(ソープ嬢は平均年齢が高いためか、「おねえさん」という呼び方をよくする)。

南智子さん(代々木忠監督のAVで脚光を浴びた風俗嬢。現在も渋谷の店で働いている)が言っていたけど、彼女がソープで働いていた時代は、帰る際に、控室の畳に額をつけて、先輩たちに"お疲れさまでした"とやらなければならなかったって」竹「今でも年齢の高いおねえさんがいる店だと、そういうのはありそう。

それと、ソープは男子従業員もうるさいんよ。出勤のときの服装にまでロ出しするしさ。アタシなんて、普段、汚い格好しているから、店長から"誰が見ているかわからないんだから、ジーンズじゃなくてスカートをはけ"と怒られたよ(笑)」松「新宿や池袋じゃそんなことは言われないだろうが、吉原は情報が筒抜けで、ロケーションからして、出勤時の姿まで見られやすいから、他店の手前というところもあるんだろうな」竹「アタシは、缶ジュース飲みながら、歩いて出勤していたからね(吉原は鶯谷、上野、浅草、田原町、入谷のどの駅からも遠く、地元に住んでいるのは別にして、ほとんどの女のコはタクシーを使うか、男に車で送ってもらっている)。